事前購入割引とは
「事前購入割引」は、飛行機の割引運賃の基本です。これは、1日前、3日前、7日前など、特定の日にちまでに予約することで割引になる運賃で、格安航空券の主流といっていいでしょう。
「特便割引」(JAL)、「スーパーバリュー」(ANA)、「いま得」(SKY)などという名称が付けられています。いずれも早く買えば買うほど割引率は高いですが、キャンセル料も高く設定される傾向にあります。
このページでは、飛行機の事前購入割引運賃についてご案内します。
事前購入割引運賃の基本ルール
事前購入割引運賃のルールは航空会社によって異なります。ただ、JALやANAといった大手航空会社のルールはだいたい同じです。すなわち、以下がポイントになります。
- 購入期限がある(前日~75日前など)
- 予約変更不可
- 予約取消の場合のキャンセル料が高額(2000円~5000円程度)
つまり、予定が完全に固まっていてその便に絶対に乗るのなら安いですが、何か都合が悪くなって便を変更する場合は、高いキャンセル料を支払って取り直さなければならない、というのが基本的なルールです。
予定が立てやすい学生さんには向いていますが、予定が変わりがちなサラリーマンには使いにくい格安チケットです。
JALの事前購入割引運賃は「先得」など
JALの事前購入割引運賃には「特便割引」「先得割引」「スーパー先得」「ウルトラ先得」などがあります。割引率は最大で80%程度です。いずれも予約変更不可、出発前のキャンセル料は最大で支払額の50%です。
ANAの事前購入割引運賃は「バリュー」など
ANAの事前購入割引運賃には「スーパーバリュー」「バリュー」などがあります。割引率は最大で80%程度です。いずれも予約変更不可、出発前のキャンセル料は最大で支払額の60%です。
スカイマークの事前購入割引運賃は「いま得」「たす得」など
スカイマークの事前購入割引運賃には「いま得」「たす得」「SKYセール」があります。割引率が高いのは「SKYセール」です。「いま得」「たす得」は、空席数に応じて運賃が変わる変動型運賃で、変更不可が「いま得」、変更可能なのが「たす得」です。「たす得」のほうが若干運賃が高いです。
取消手数料は、「いま得」が出発前で最大5,000円。「たす得」が最大2,500円です。予約変更やキャンセルの可能性が低いなら「いま得」がいいでしょうし、変更の可能性がそれなりにあるなら「たす得」がよさそうです。
「SKYセール」は激安のセール運賃で、予約変更不可、出発前のキャンセルもできません。
LCCの事前購入運賃
ピーチや、ジェットスター・ジャパンといった格安航空会社LCCは、「事前購入運賃」というくくりはなく、運賃がすべて空席に応じた変動制です。
おおざっぱな傾向としては、早く購入すると安くチケットを買えますが、早く買えば常に安い、というわけではありません。たとえば、1年近く前に買うよりも、半年前に買った方が安いことは多いです。
LCCの場合は、運賃種類によって予約変更可と予約変更不可があります。また、キャンセルはほとんどの運賃で不可です。
事前購入割引運賃の上手な使い方
価格は安いがキャンセル料は高い、というのが事前購入割引運賃の特徴です。とはいえ、普通運賃より価格が1万円安ければ、3,000円のキャンセル料を3回支払ってもまだ安い、という考え方も成り立ちます。ですから、そのチケットが「いくら安いのか」を確認したうえで、キャンセル料の価格と見比べるといいでしょう。
事前購入割引運賃は、60日前までのチケットが特に安くてお得です。しかし、閑散期は1週間前くらいでもそれなりに安いチケットが取れることもありますので、あまり早くチケットを買う意味はないかもしれません。逆に、繁忙期は1週間前だと普通運賃のチケットしか残っていないことも多いので、できるだけ早く買ったほうが安く旅をすることができます。
要するに、ある程度予定が見通せるなら、キャンセル料が高くても60日前チケットに高い価値があります。とくに、ピーク時は狙い目です。ピーク時は事前購入割引運賃はあっという間に売り切れますので、早めに確保しておくといいでしょう。
週末やピーク時の人気便に乗りたいなら、キャンセルのリスクがあっても事前購入割引運賃を使うべきですし、閑散期なら21日前を切ってからでも十分間に合うので、日程が固まってから購入したほうがいいかもしれません。
航空会社別に見ると、スカイマークの「たす得」は、キャンセル料が安く、変更も可能で便利です。価格も安いですので、スカイマークが就航している区間では、「たす得」がおすすめです。