液体物の持ち込みのルール
飛行機では、液体物の持ち込みが制限されています。その理由はなぜでしょうか。また、どのようなものを、どのくらいまでなら持ち込むことができるのでしょうか。預ける際は、どのように預ければいいのでしょうか。
飛行機の液体物持込制限の内容は、国内線と国際線で異なりますし、複雑です。このページで、液体物持ち込みのルールをわかりやすくご案内しましょう。
国内線の液体物持ち込み制限
国内線については、液体物の持ち込み制限はそれほど厳しくありません。ペットボトル飲料はとくに制限なく持ち込めます。
化粧品や医薬品類も、以下の範囲で持ち込み可能です。
- 1容器0.5kgまたは0.5リットル以下で、
- 1人2kgまたは2リットルまで
普通の化粧品や歯みがき類なら、とくに気にしなくて問題ありません。保安検査場ではX線検査機を通さなければなりませんが、細かいチェックはありません。
飲みかけのペットボトル飲料については、保安検査場で検査器にかけられます。それで異常がなければ持ち込めます。この検査器では、比誘電率を測定して危険物でないかを確認しています。
アルコール飲料も基本的には持ち込み制限はありません。ただし、25%以上の度数のアルコールに関しては制限を設けている会社もあります。また、70%以上の度数のアルコールは持ち込み禁止です。
国際線の液体物持ち込み制限
国際線の液体物持ち込み制限は、国内線よりかなり厳しいです。その理由は、テロ防止です。
2006年に発生したイギリスでの航空機爆破テロ未遂事件をきっかけに、2007年から全世界の国際線で液体物持ち込み制限のルールが定められました。このテロ未遂事件では、機内に液状物質を使って飛行機を爆破させる計画でした。そのため、これ以降、機内への液体物持ち込みが厳しく制限されたのです。
具体的な制限は、以下の通りです。
- 液体物には飲料物のほかに調味料・食品類・化粧品・家庭用品・日用品などが該当します。
- ジェル類・エアゾール・半液体状物も含まれます。
- すべての液体物は100ml以下の容器に詰め替えなければなりません。
- すべての液体物の容器を1リットル以下のジッパー付き無色透明プラスチック袋にまとめて入れなければなりません。
- この袋は1人1人まで持ち込み可能です。
- 保安検査場で提示の上、トレーに乗せて検査します。
- 保安検査後に免税店などで購入した物は機内持込可能です。(ただし国際線に乗り継ぎ、再度保安検査をする時は、乗り継ぎ地点でこの適用を受けられず没収される可能性があります)
例外として、機内で必要な医薬品類、病気のための制限食、ベビーミルクやベビーフードなどは、持ち込みが必要な証拠と共に検査員に申告すれば、そのままの状態で持ち込めます。
制限される液体物は?
国際線で制限される液体物は、多岐にわたります。一例を下記に示します。
- ペットボトル飲料
- 牛乳
- アルコール飲料
- 味噌、醤油
- 漬け物
- 食用油
- 瓶詰、缶詰
- ヨーグルト
- ゼリー
- シャンプー、液体石鹸
- 歯磨き粉
- ヘアクリーム
- 虫刺され、かゆみ止め
- スプレー類
- 育毛剤
- 靴クリーム
国際線で液体物を持って行くには?
箇条書きに整理してみてもややこしい規制です。実際にはどうすればいいのでしょうか。
簡単にいうと、
液体は機内に持ち込まず、預け荷物にする
ということになります。液体物制限は機内持ち込み荷物にのみ適用され、預け荷物には適用されないからです。
機内に持ち込む場合は、ジップロックのようなジッパー付き透明袋を購入し、そこに詰め込みます。
この写真のように、歯みがきなどを詰め込みます。ポイントは4つです。
- 一つ一つの容器は100ml以下
- ジッパー付き透明袋は20cm×20cm程度
- そのジップロックの中に、容器を詰め込む
- 保安検査場では、この透明袋を荷物から出して検査を受ける。
国際線でペットボトル飲料を機内に持ち込むには
上記の制限がありますので、国際線では外部からペットボトル飲料を保安検査場の内部に持ち込むことはできません。
では、機内で飲むためのペットボトル飲料を持ち込むにはどうしたらいいのでしょうか。その場合は、保安検査場を抜けた免税品エリアでペットボトルを購入します。
ただ、最近は液体持ち込み制限が強化されたことを受けて、国際線の飛行機の機内ではペットボトルを配ってくれたりします。ですので、無理にペットボトルを持ち込む必要性は小さいともいえます。