大きな空港には「空港ラウンジ」(エアポートラウンジ)が設置されています。「カードラウンジ」と「航空会社ラウンジ」の2種類があり、どちらも特定の利用者がゆったりくつろげるためのスペースですが、利用資格や利用方法は多少異なります。
このページでは、国内の空港ラウンジの一覧と、利用資格、利用方法、賢い使い方などを説明しましょう。
空港ラウンジとは?
空港ラウンジ(エアポートラウンジ)とは、飛行機の出発を待つ乗客のために航空会社や空港によって提供される特別待合室のことです。
空港ラウンジの設備はラウンジごとに異なりますが、おおむねソファ、テーブルが設置され、飲み物などが置かれています。飲み物を自由に摂りながら、ゆったりと飛行機の出発を待つことができます。
専用のトイレもあり、シャワーやマッサージチェアが設置されている場合もあります。上級クラスのラウンジでは、軽食も供されます。
「カードラウンジ」と「航空会社ラウンジ」の違い
空港ラウンジのうち、クレジットカードのゴールド会員向けに設置されているのが「カードラウンジ」と呼ばれるものです。一方、航空会社のプレミアムクラス、ファーストクラスの利用者や、上級マイル会員向けに作られたのが「航空会社ラウンジ」と呼ばれるものです。
カードラウンジと航空会社ラウンジは別々に設置されていますが、国内線の場合、設備に大きな違いはありません。ただ、航空会社ラウンジのほうがやや豪華で、アルコールなどを含めた無料ドリンクの種類が豊富です。
また、航空会社は、一部空港で最上級ラウンジを設置していて、軽食類を提供しています。
いずれのラウンジでも、空港によって設備やサービスには多少の違いがあります。国内線の場合は、航空会社ラウンジのほうがやや優雅、という程度の差です。
航空会社ラウンジの種類
国内航空会社でラウンジを持っているのは、JALとANAの2社のみです。
■JAL国内線
「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」「サクララウンジ」
■JAL国際線
「ファーストクラスラウンジ」「サクララウンジ」
■ANA国内線
「ANA SUITE LOUNGE」、「ANA LOUNGE」
■ANA国際線
「ANA SUITE LOUNGE」「ANA LOUNGE」
最近は、航空会社のラウンジの共用化が進められています。たとえば、関西空港では、国内線は「LOUNGE KANSAI」、国際線は「KIX Lounge Premium」「KIX Lounge KANSAI」にJAL、ANAとも集約されました。
国際線と国内線では違う?
国際線ターミナルに設置されているラウンジと、国内線ターミナルに設置されているラウンジは異なるのでしょうか。
カードラウンジに関しては、差はほとんどありません。羽田空港の国際線と国内線のカードラウンジとを比べて、どちらが優れているかといえば、大差ない、という答えになるでしょう。
一方、航空会社ラウンジについては、国際線用のラウンジのほうが間違いなく豪華です。国際線ラウンジでは軽食サービスが充実していて、シートの配置も広々としています。
空港ラウンジの料金
カードラウンジは、ゴールドカード保持者は無料のことがほとんどです。ゴールドカードを持っていない人は、1,000円~2,000円程度の利用料金がかかります。
航空会社ラウンジは、プレミアムクラスやファーストクラスなど、そのラウンジを使える航空券を持っている旅客は無料です。マイルの上級会員も無料です。対象以外の旅行者が利用する場合、3,000円程度の利用料金がかかります。
空港ラウンジはどこにある?
カードラウンジは、空港ビル内の保安検査場の外側エリアに設置されていることが多いです。レストラン街の片隅にあったりして、場所としては目立たないところにあります。一部のカードラウンジは、保安検査場を抜けた「制限エリア」内にも設置されています。
航空会社ラウンジは、保安検査場を抜けた「制限エリア」に設置されている場合がほとんどです。航空会社カウンターでチェックインした際に教えてもらえます。
国内の空港ラウンジ一覧
国内の空港ラウンジは、主要空港に設置されています。以下は、その一覧です。なお、カードラウンジ、航空会社以外のラウンジは省略しています。
新千歳空港
・カード(スーパーラウンジ、スーパーラウンジアネックス)
・JAL(サクララウンジ、ダイヤモンド・プレミアラウンジ)
・ANA(ANA LOUNGE、ANA SUITE LOUNGE)
旭川空港
・カード(LOUNGE 大雪)
函館空港
・カード(ビジネスラウンジ A Spring)
青森空港
・カード、JAL(エアポートラウンジ)
秋田空港
・カード(ROYALSKY LOUNGE)
仙台空港
・カード(ビジネスラウンジ)
・JAL(サクララウンジ)
・ANA(ANA LOUNGE)
成田空港
・カード(IASS EXECUTIVE LOUNGE1、IASS EXECUTIVE LOUNGE希和 -NOA-)
・JAL(国際線ファーストクラスラウンジ、国際線サクララウンジ)
・ANA(国際線ANA SUITE LOUNGE、国際線ANA LOUNGE、ANA ARRIVAL LOUNGE)
羽田空港
・カード(エアポートラウンジ、POWER LOUNGE、POWER LOUNGE PREMIUM、TIAT LOUNGE、SKY LOUNGE、The Centurion Lounge)
・JAL(国内線ダイヤモンド・プレミアラウンジ、国内線サクララウンジ、国際線ファーストクラスラウンジ、国際線サクララウンジ)
・ANA(国内線ANA SUITE LOUNGE、国内線ANA LOUNGE、国際線ANA SUITE LOUNGE、国際線ANA LOUNGE)
中部空港
・カード(プレミアムラウンジセントレア、QUALIA LOUNGE)
・JAL、ANA国内線(セントレアエアラインラウンジ)
・JAL(国際線サクララウンジ)
新潟空港
・カード(エアリウムラウンジ)
富山空港
・カード(ラウンジ らいちょう)
小松空港
・カード(スカイラウンジ白山)
・JAL(サクララウンジ)
・ANA(ANA LOUNGE)
伊丹空港
・カード(ラウンジオーサカ)
・JAL(ダイヤモンド・プレミアラウンジ、サクララウンジ)
・ANA(ANA SUITE LOUNGE、ANA LOUNGE)
関西空港
・カード(六甲、金剛、アネックス六甲、KIXエアポートカフェラウンジNODOKA)
・JAL、ANA国内線(LOUNGE KANSAI)
・JAL、ANA国際線(KIX Lounge Premium、KIX Lounge)
神戸空港
・カード(ラウンジ神戸)
岡山空港
・カード(ラウンジマスカット)
・JAL(サクララウンジ)
・ANA(ANA LOUNGE)
広島空港
・カード(Hiroshima Airport Lounge)
・JAL(サクララウンジ)
・ANA(ANA LOUNGE)
米子空港
・カード(LOUNGE DAISEN)
山口宇部空港
・カード(ラウンジきらら)
徳島空港
・カード(エアポートラウンジ ヴォルティス)
高松空港
・カード(ラウンジ讃岐)
松山空港
・カード(ビジネスラウンジ)
・JAL(サクララウンジ)
・ANA(ANA LOUNGE)
高知空港
・カード(ブルースカイ)
福岡空港
・カード(ラウンジTIME、ラウンジTIMEインターナショナル)
・JAL(ダイヤモンド・プレミアラウンジ、サクララウンジ)
・ANA(ANA SUITE LOUNGE、ANA LOUNGE)
北九州空港
・カード(ラウンジひまわり)
長崎空港
・カード(ビジネスラウンジ アザレア)
大分空港
・カード(ラウンジ くにさき)
熊本空港
・カード、JAL、ANA(ラウンジASO)
宮崎空港
・カード(ブーゲンラウンジひなた)
・JAL、ANA(ラウンジ大淀)
鹿児島空港
・カード(スカイラウンジ菜の花)
・JAL(サクララウンジ)
・ANA(ANA LOUNGE)
那覇空港
・カード(ラウンジ 華 ~hana~)
・JAL(ダイヤモンド・プレミアラウンジ、サクララウンジ)
・ANA(ANA SUITE LOUNGE、ANA LOUNGE)
空港ラウンジの利用方法
カードラウンジの場合はラウンジの受付でカードと搭乗券を提示します。係員がカードのチェックをしてくれます。手続はそれだけで、あとは自由に空いている席に座れます。
航空会社ラウンジの場合は、搭乗券を提示するだけです。マイルの上級会員として利用する場合はマイレージカードを提示します。手続はそれだけで、あとは自由に席を選んで利用できます。
空港ラウンジの上手な使い方
空港ラウンジは、ソファやテーブルがあり、飲み物も用意されていて快適です。また、電源が用意されていることが多いので、スマホやパソコンを使った作業にも向いています。
一部の空港ラウンジにはキッズコーナーがあります。閉鎖された空間なので、子連れにも安心でしょう。
ただ、空港ラウンジはそれほど広くありませんし、出発前となると混雑していることもあります。空席が少なく、人いきれもして、あまり快適でない場合もあります。ちょっとエラいおじさんが小さな酒盛りをしていてうるさいことすらあります。
また、ビジネス客が多い空港では、子連れは肩身が狭いかもしれません。
そういう場合は、外の一般待合室で座っている方が快適だったりします。要は「タダなんだから使わなきゃ損」という感覚ではなく、適度に空いていて快適そうなら使う、という考え方のほうがいいでしょう。